2010年12月19日

Band On The Run 〜40th Anniversary〜

12/18はライブだった。

とは言ってもいつものようにヲタレンのビートルズイベントやヴェセルズでもなく
比較的急遽参戦したイベントへのゲスト参加をさせて頂くという形だった。

ポール・マッカートニーやウイングスのファンなら知らない人は居ないであろう
ポールの情報サイト『つれずれなるままにWINGSFAN』の主宰者の方からイベントの
お誘いを受け、有難く参加させていただくことになった。

主宰者の方が活動しているバンド、"The McClaines"が今回『バンド・オン・ザ・ラン』
の発売30周年記念のトリビュート企画として、所謂「アルバム全曲演奏」を行うと
言うことだったのでその引き立て役として、僕にも声がかかったのであった。

出会いは昨年末に大塚ウェルカムバックで行われた第52回ビートルズ大会で
たまたまブッキングされたのがきっかけだったのである。
その時ヲタレンで僕らは出演したのだが、このライブ自体も大会で突然の
キャンセル者が出て急遽穴を埋めてくれないかという打診からのものだった。

本番まで2週間強でそれもかなり厳しかった上、ジョージ役のMakiMakiさんが
出張でライブ当日まで帰って来れないという状態だったので急遽僕のもうひとつの
バンド、ヴェセルズにも声をかけ、当日参加できるのがベースのまりさんと
パーカッションのえぐっちゃんだったので、ギターとヴォーカルの自分と、
ドラムのコリンゴ☆を加えればちゃんとバンド構成になるのに気づいたので
急ごしらえの合同バンド"ヲタレン特別編"で出演したのだった。

その時の最後に「恋のアドバイス」をちょっとソウルポップ風なアレンジで
やったのだが、最後に大好きだった「グッドナイト・トゥナイト」のサビを
ちょこっとつけてメドレーにした。ちょうどコード進行が同じなのである。

そしたら、そのメドレーでポールの今となってはマニアックな曲を取り上げた
事をMcClainesのメンバーの方が気に入ってくれて声をかけてくれたのである。
その時はいつか共演しましょうねと話しつつも時は流れていた。

しかし、一年経とうかという月日が流れていたのに、彼らが僕らの演奏を覚えて
いてくれて、連絡をくれたのが今回のきっかけである。

だので急遽ヲタレン元リーダーと二人で参加させていただくことにした。
最初はバンド形態を考えたが、当日までの日数や、それ以上にコリンゴ☆が
他のセッションのライブ参加が既に同日に決まっており、バンドでの参加が
難しい状態だった。また、ウイングスを中心としたポール曲のストックが
バンドとしては多く無いので、本番までにまとまるのが難しい状態だった。

そうなると、ポールやウイングスのオフィシャルな曲ならほとんど頭に
入っている僕とヲタレン元リーダーの二人で参加するのが一番早いという
事になったのである。

McClainesさんが『バンド・オン・ザ・ラン』の全曲演奏をするというので
僕らはそこからなるべく選曲を外す形でセットリストを考えた。
但し、「ノー・ワーズ」だけはヲタレン初期から良く演奏していたし、今回の
ようなフォーク・デュオの形態だとコーラスが多い曲が心地良いだろうから
これだけはリストに入れることにした。それ以外はウイングスやポールの
ちょっと気の利いた選曲とアコースティックで出来るアレンジを二人でスタジオで
試行錯誤しながら考えた。

最初に浮かんだのがウイングスのファーストに入っている
「サム・ピープル・ネバー・ノウ」だった。全体的に冗長だが何処をとっても
美しいメロディとハーモニーがデュオにぴったりだろうと考えた。


「Some People Never Know」('71) The Wings
垂れ流しみたいな曲なんだけど、ポールのメロディの大事な部分が一杯詰まった歌。
「ビートルズは好きだけどポールの甘い曲が嫌いなんだよね」とか言う人は
どうかビートルズなんか聴かないで欲しい。この要素が無いビートルズなんて
ビートルズでも何でも無いから。ジョンもポールも「エボニー・アンド・アイボリー」
の如く調和を保っているのがビートルズ。


発売当時は酷評も、いまや90年代サブカル馬鹿に奉られて飾らない名盤。
ラフで緩いけどポールのメロディは美しいの一言。


他にはウイングスの曲でも個人的に五指に入る大好きな曲
「デイタイム・ナイタイム・サファリング」もこの機会だからこそやってみたかった。
(これと「グッドナイト・トゥナイト」のカップリングシングルは最高だと思う)

そんなふうに適当にピックアップしてスタジオで色々やっていたのだが、
リストにはなかったけどふざけて僕がスタジオで歌っていた「ワインカラーの少女」を
元リーダーが「それ結構トラッド風にしたらいいよ!」って言ってくれたので
それを今度は二人で煮詰めて行ったら確かに一番締りのある出来になったし、
僕らのセットリストの中では真っ当な曲なので最後の曲にした。

こんな感じで、ポールでも特にウイングス中心という選曲が今回のお題で、
正直ウイングスならそれこそバンドで出たかったし、バンドでこそ楽しそうな曲が
多いのだが、「制約こそ創造の素」という僕のスタンスにはある意味ぴったりで
リーダーとアレンジや役割を考えたり変えながら練習するのは楽しかった。

最初は二人でやるの5年ぶりくらいなので、結構しっくりくるのに少し時間がかかって
二人とも「あれぇ?」みたいなのは有ったのだけど、そこは10年以上一緒に音楽を
やってる仲間なので、段々と感覚も戻ってきた。アドリブソロで終わるような曲でも
絶対に終わり間違えたりしないのは僕らの長い付き合いが紡ぎ出してる"息の有ってる所"
だと思う。手前味噌だけど。まぁ職場でもアイコンタクトで喋ってるとか言われるしね。

本番会場だった『下北沢Breath』もとても綺麗で、ビートルズ系のライブカフェの割に
偏執的にビートルズ的なこだわりは感じず、むしろちょっとでも好きならウェルカム
って感じがして素敵な場所だった。ホントジョンの写真やビートルズのアルバムが
無ければ小洒落たライブも聴けるカフェって言う風情で、こういう所で最近は
やりたいなって思っていたので会場も願ったり叶ったりで。

僕はモッドな青春時代を過ごしたくちなので、サブカルの街、下北にはそれなりに
想うところも有ったし。本当にずーっと来てなかったので久々の下北はすごい人の
数だなと狼狽してしまったけど。。でもアクセスもそこそこ良いし来てくれる人にも
良いのではないかと思ったり。

イベントは満員で、McClaines(WINGSFAN)とビートル系イベントの人気には頭がさがる。
僕ビートルズ系のカバーイベントに参加するようになってから、スカスカの会場で
やったことが無い。よほど自分が若い頃のライブのほうが人が居なかったもんだよ。。
人がいっぱい見てくれるところで演奏できるのは幸せである。

McClainesの全曲演奏も堪能させてもらった。アルバム全曲演奏ってすごく大変で、
絶対アルバムの中には普段聴かない曲とか有る訳で、そこも含めパッションを
全編に保つって言うのは大変なこと。更にバンドでやるのには不向きな曲だって有る。
『バンド・オン・ザ・ラン』はポールが前作『レッド・ローズ〜』で固まったメンツで
バンドサウンドを追求するためにやろうとしたのにドラムとリードギターに
逃げられてしまって、半ばヤケになってほとんど一人で作ったアルバムだと思う。
その火事場のクソ力がこのアルバムをグルーヴ感溢れる名作に昇華させたのでは
無いかと。だからソロ1作目から時折登場する"ポールの多重録音"系アルバムの中では
最もバンド的でロックなアルバムだと思う。だから主要な曲はバンドでやっても
ロックで決まるのだが、やはり多重録音らしくだらしないアコースティック曲や
意味不明?な音響効果も多いのがこのアルバムだ。それを覚えたりアレンジを
考えるだけでも大変なことである。

その情熱とポール、『バンド・オン・ザ・ラン』への愛情が感じられるステージだった。
McClainesの熱演のおかげで、改めて『バンド・オン・ザ・ラン』ってやっぱり
良いアルバムだなって思いを新たにした夜だった。最後の「1985年」の疾走感や
イカしたピアノ・リフ、分裂症的な展開、その全てがポールにしか生み出せない
素晴らしさだなと。

実は名盤とは分かっていても僕はウイングスのアルバムで『バンド・オン・ザ・ラン』
が決して好きなアルバムではなかった。「バンド・オン・ザ・ラン」や「ジェット」
がライブで重要ナンバーなのは百も承知だし、「ブルー・バード」「ノー・ワーズ」は
名バラード、「ミセス・バンデビルト」は大好きな曲であるにも関わらずだ。

何となく前半にパワーが集中しすぎて後半がだらしないのせいかも知れないが
それもコンセプト的に捉えるとそういうものなのかとか、単にだらしないにしても
それこそがポールらしさなので最後は強引に「1985年」で解決する所は
やっぱり格好良いんじゃないかとか、何よりもポールのロックで雑なドラミングこそ
このアルバムの最大の聴きどころだったりとか分かってくると楽しい。

そんな事を教えてくれたMcClainesの熱演だった。

機会を与えてくれたWINGSFAN、McClainesの皆さん、下北沢Breathの皆さんには
心から感謝しつつこれからもよろしくお願い致します。


-Set List-
1.Some People Never Know
2.Driving Rain
3.No Words
4.So Bad
5.Daytime Nightime Suffering
6.Only Love Remains
7.Letting Go

ダイスケ(Vo,Guitar)
カワセ(Vo,Guitar)



「1985」 Paul McCartney(Live on 'Later with Jools Holland'2010)
必殺ジュールズ・ホランド・ショーでのライブ演奏。2010年のである。
若き日のポールが「1985年がどんな時代になるか分からず」作った曲を
68歳のポールが1985年から25年も過ぎた2010年にこの歌を歌ってしまうこと
自体が感動的だし格好良い。長生きしてね、本当に。
posted by cafebleu at 23:06| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Wingsfan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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