ポールを象徴する楽器はヘフナーがやはり一番で、その次にビートルズ中後期と
ウイングス時代にはリッケン4001。もうこの二つでも充分?なのだが、
そこにギターとして付け加えるならやはり前回紹介したエピフォン・カジノと
言う事になるだろうか。まぁカジノに関してはやはりジョンのイメージの
方が強いのが事実なので、ポールを象徴する物とは言えないのかも知れないけど、
レコーディングでも長きに渡り活躍しているのでカウントしても良いだろう。
大事な事を忘れていたが、ポールを象徴するもう一つの重要な楽器は
マーチンのD-28だろう。D-28とフィンガー・ピッキングが織り成す美しいサウンドと
メロディによりいくつものアコースティカルな名曲を生み出して来たのは周知の事実である。
と言う訳で、それ以外で利用されてきた楽器などをまとめて紹介しようかと思う。
〜Martin D-28〜
![color_gal_29[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/color_gal_295B15D-thumbnail2.jpg)
入手当初はいつもの通り右利き用を張り替えて使っていたようだが
近年の映像を観るとちゃんと左用を使用している。
前述の通り、「ポールと言えば」楽器の重要なギターの一つである。
実際のところポールがレコーディングでD-28を使うのは『ホワイト・アルバム』からと
言われているし、入手したのもその辺りの時期なのだろうが、何せこのアルバムの
ポールが奏でたアコースティック系の楽曲は神がかっていると言ってよいほど
名曲揃いなのでそのイメージと相まってD-28とポールの相性は抜群な感じがする。
ポール・ファンなら誰しもD-28で「ブラック・バード」や「マザー・ネイチャーズ・サン」を
奏でてみたいものである。
この効果はやはり凄く、マーチンの所謂『Dシリーズ』にはD-28より上位の
D-41やD-45などが存在するにも関わらず、D-28の売れ行きは他のモデルに比べ
郡を抜いているそうである。マーチンを代表するもう一つのモデルがこれも
やはりクラプトン使用で有名になった「000-28」なので
ミュージシャンが使う影響とは本当に物凄いのだろうなぁと思う。
本当に良く鳴るギターで、その響きもフィンガリングなら繊細に、コードを弾けば
時にはそこそこ泥臭くも響く素晴しいアコースティック・ギターだが、詳しい事は
これを所有しているヲタレン・リーダーの方にヲタレン・ブログやSNSなどで
質問してもらえれば、いい加減な解答をしてくれると思う。
〜Epiphone Texan〜
![wings_330[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/wings_3305B15D-thumbnail2.jpg)
![solo_1739[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/solo_17395B15D-thumbnail2.jpg)
初期から中期までのポール使用のアコースティック・ギターはやはりお気に入りだったのか
エピフォン社からチョイス。ひょうたん型でキュートなルックスのテキサンだった。
『エド・サリバン・ショー』の「イエスタディ」演奏シーンが何よりも有名なところだろうか。
D-28を使うようになってからメイン使用という点では退いたようだが、その後も曲によっては
テキサンを使用することもあるようだ。近年ギブソンによって限定復刻され、本人にも
手渡された(また貰いものか・・)。しかしながら復刻テキサンの値段は物凄い金額だ。
最近では「ジェニー・レン」録音時に使用された。近年のポール使用テキサンには
羽のようなシールが貼ってあり、それを真似ているマニアなんかも見かける。
サウンド的にはサイドとバックがD-28のローズウッド(本人のはハカランダだろう)と異なり
マホガニーが使用されている。トップは勿論アコギなのでスプルースなのは共通だが。
アコギは木材だけでなく、中の作りも重要だが、マホガニーな分D-28よりトーンは甘い
かもしれない。但し当方は弾いた事が無いので何とも言えないし、D-28は魔法のかかった
ギターなので硬いとか甘いとか通り越して素晴しい音色がするのだ。
〜Fender Telecaster [Esquire]〜
![tele[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/tele5B15D-thumbnail2.jpg)
![039_44526[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/039_445265B15D-thumbnail2.jpg)
![wings_146[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/wings_1465B15D-thumbnail2.jpg)
上が恐らく『サージェント』録音時の風景で1PUのエスクワイヤを使用している。
真ん中はソロ初期か。スコットランドの自宅での様子のようだ。
下は右利き用テレキャスターのカッタウェイで無い部分を無理やりぶった切っていびつな
カッタウェイにしてしまっている。。
ジョンのストラトなどと同じく、ステージではお目にかかれないのだが、ポールが比較的
愛用しているギターの一つに挙げれるのがテレキャスター(エスクワイヤ)だろう。
主導権を握った『サージェント〜』辺りからは今までに増して積極的にでしゃばり・・・もとい
ギターや鍵盤楽器を弾いているようで、「ゲッティング・ベター」におけるブライトな
音色のカッティングはエスクワイヤを利用していると言われている。
その後もエスクワイヤを改造したり、他にもレフト・ハンドのテレキャスターなどを入手して
時折レコーディングなどでは使用しているようである。因みに『エスクワイヤ』と言う名前は
現在だとフェンダーのバリュー・ライン(中国、韓国生産)のブランドとして機能しているが、
当時はテレキャスターのリアPUのみ付いていたバージョンを”エスクワイヤ”と言う
名前で販売していた。
(厳密には2PUのエスクワイヤも存在するようだが、詳しくはフェンダーのファンサイト等で)
〜Dan Armstrong AMPEG Crystal Guitar [LUCITE]〜
![solo_1799[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/solo_17995B15D-thumbnail2.jpg)
ボディが透明アクリル樹脂と言う信じ難い材を使っているギター。
アルバム『バンド・オン・ザ・ラン』の時に使用されたようだ。当時このギターが
ちょっとした流行で、キース・リチャーズなんかも使用している写真がある。
材も独特ならピックアップもカートリッジで簡単に交換できると言うのも個性的。
こういうの使ってるポールって、やっぱり普通のストラトとか使いたくない人
なんだろうなと僕は思ってしまうのである。この手のクリスタル・ギター、僕が
中学〜高校位までは国産ブランドなんかのヴィジュアル系向きなモデルとかで
見かけたのだけど、最近でも作っているメーカーってあるのだろうか?
〜Gibson Les Paul〜
![gal15[1].jpg](https://cafebleu32.up.seesaa.net/image/gal155B15D-thumbnail2.jpg)
近年のライブではお馴染みのレス・ポールだが、実はとんでもなくレアなギターで、
59年モデルの左利き仕様である。59年モデルと言うだけでもヴィンテージ楽器としては
3ケタは間違いない逸品だが、更にレフト・ハンド・モデルとなると希少とかを通り越して、
まともに目にすることすら難しい。何でも59年モデルの左利きは現存で3本しか存在しない
と言う。そしてその中の一本をポールは所有していると言うことになる。通常これほどの
スーパー・ヴィンテージ・ギターになるとツアーには持ち出さないものだがポールは
普通に使っていたりする。。。カジノは持ち出さないのに。元々はチープ・トリックの
リック・ニールセンから譲り受けたと言うもの。右利きのリック・ニールセンが何故この
レフティーを所有していたのかはさっぱりわからないのだが、ビートルズ・チルドレンで
有名なリック・ニールセンはとにかく喜んでポールの自宅まで届けたらしい。だがその日は
ポールは不在でリンダが応対したそうだ。。。更にこのギターのお金を全額払っていない
とかでいよいよもってポールのシブチンっぷりが酷い事がこの事からも良くわかる。
確か90年のワールド・ツアーではこれの他にゴールド・トップのレス・ポールも使用
していたと思う。それはリンダからのプレゼントだったようだが最近は見かけない。
レス・ポール自体はツアーでは良く使われるものの、実際のレコーディングでは
やっぱりカジノがお気に入りのようで、パワフルなサウンドを奏でるレス・ポールは
ライブ用のアイテムなのかもしれない。
他にもウイングス初期には変わったホロウのベースとかも使っていたし、シングル
『オフ・ザ・グラウンド』のプロモで使われた変形のストラトもあったりするのだが、
何せキャリアが長いので全部追っているとブログが終わらなさそうなのでこの辺で。
他にも「こんなのが有名だよ〜」と言うのをご存知な方がいらっしゃれば情報を
コメントにで補足していただけれれば有難いです。
最近すっかり”日々のつぶて”でも無ければ様々なアーティストの
音楽紹介でも無く、”ビートル研究ブログ”になってきてしまった。。。