2009年06月26日

Man In The Mirror

「僕に音楽とポール・マッカートニーを教えてくれた人」


何て朝の始まりだろうか、否、それに気付いたのはしばらしくてからか。

いつもの通り、朝起きてすぐPCの電源を入れ、日課になっている
朝一の会社から依頼されている業務を眠い目で始めた時、ついでに
開いていたブラウザのポータルの一面に載っていた一行に目を疑う。

「マイケル・ジャクソンさん、心肺停止で緊急搬送」

最初に見たとき、驚きも感じつつも寝起きで頭が働かないのと、
仕事をしながらだったので、「あぁついにこんな日が来たか」と言う
感情のほうが先に沸いた。

70年代はジャクソン5で、80年代はソロとして人気もブラック・ミュージックの
地位も信じられない程向上させた人、そう言って差し障りは無いだろう。

特にM-TV時代に親の音楽好きも手伝って深夜に放送された録画ビデオを
観るのが楽しみだった小学生の僕にとってマイケル・ジャクソンとは
本当の意味で初めて触れた「音楽」だったと言えるかと思う。

ありきたりだが、「ビリー・ジーン」や「スリラー」のプロモは何度も何度も
見返していたものである。「スリラー」はメイキングからロングバージョンの
本編を収録したビデオも買ってもらって、踊りを家で真似ていたっけ。
(TVを観て真似ているので踊りが鏡のように逆になっていた)

80年代の音楽は洋楽に早熟だった自分にとって第一の青春であり、
10歳に満たない自分にそういう良い音楽を与えてくれた父には感謝している。

マイケル、プリンス、フィル・コリンズ、a-ha、デュラン・デュラン、クイーン、
ヴァン・ヘイレン、ボン・ジョヴィ、スティング、マドンナ、シンディ・ローパーetc...

どうもリバイバルとしての「'80s」には乗る気にはなれないのだけど、
やっぱり音楽に対する出会いの一歩と言っても良かったこれらアーティストの
音楽を聴くと子供のころに父が渡してくれたシングル盤のレコードや
編集してくれたテープ、そしてM-TVを思い出さずにはいられないのである。

でもね、やっぱりマイケル・ジャクソンはこの時代、別格だったよ。
マイケルとプリンスは頭一つ抜けてたかな。

インパクトという点では何よりも「スリラー」のロングPVだと思うけど、
当時僕がお気に入りだったのはクールな「ビリー・ジーン」と如何にも
80sっぽいブラコンのバックになぜかブラックらしからぬメロディの乗る
「セイ・セイ・セイ」、そう、この曲が僕がポールと出会った思い出深い曲な訳で。


「Say, Say, Say」 Paul McCartney and Michael Jackson

子供でも解り易いキャッチーな曲調もさることながら、このちょっとした寸劇調の
プロモも大好きで何度見返したことか。このくらいの時のマイケルが一番愛らしくて
格好良くアイドルらしかったと思うのだけど。。。
リンダは勿論姉のラトーヤ・ジャクソンも出演。



このプロモでポールと邂逅した少年の自分は、まさかこれがこの後
自分の人生にどれだけの影響を与えていくかなんて想像もしなかったし、
大人になっても懲りずに4001のファイヤーグロウを後生大事に飾る事に
なるなんて想像だにしなかった。

少なくともこれを観てた時分は、マイケルに熱中している当時良くある子供でしか無く。

結局『スリラー』のLPを買ってもらった僕は、レコードのかけかたも下手くそな
ものだから、何度も何度も針を上手く乗せるのに失敗して、飛ぶようになっちゃって
ちゃんと聴けなくなるまで聴いていたのも走馬灯のように蘇った。

その後、小学校高学年からは本格的にビートルズの病に侵されていき、
マイケルへの目配せは程々になっていったかな。『バッド』も『デンジャラス』も
それなりに聴いていたけど、それは色々な選択肢の中の音楽として。

マイケル自身もコンスタントに新作を発表していたのはちょうどその辺りまでで。

絆されていた『スリラー』やポールもいた「セイ・セイ・セイ」は置いておき、
個人的に大人になった現在も心に鮮やかなる印象を残している楽曲は何かと言うと
アルバム『バッド』に収録されていた「マン・イン・ザ・ミラー」である。

『スリラー』時代に比べ、だいぶアレンジが込み入っていると言うか、
如何にもサウンド・メーカー的になってきた感じもするこの楽曲だが、
今改めて聴いてみると、そのタイトルや歌詞も含め中々趣深いと思うのは
僕もだいぶ歳を重ねたからだろうか。

社会的な歌詞だが、それを鏡の自分に向って問いかけると言う、私的な
情緒も感じる楽曲で、それは自分への矛盾なのかとも邪推してしまう。

それ以上に楽曲としても、いつもの曲ほど派手では無いが僕は大好きである。


「Man In The Mirror」(Live Version) Michael Jackson

ブダペストにおけるライブ映像のようだが、
バタバタとファンが倒れていく映像を差し込んでる効果もあるのか、
狂信的な映像でもある。
そう言うところ、ビートルズとかもそうなんだけど、時代を変える人の
映像って何だかファンじゃないと付いていけないと言う雰囲気が漂う。
しかし、そんな事を差し置いてもマイケルのヴォーカルは鳥肌ものである。
ライブでこれだけのクオリティ、やっぱりこの人は凄かったんだなって。
マイケルのゴスペルはモダンで圧倒的。



90年代中盤からはスキャンダルにまみれて、本人も何処かあらぬ方向へ
暴走しているように見えたけど、いなくなって、少なくとも彼や彼の音楽を
愛したり、評価していた側からは、やっぱり何よりも彼の音楽が素晴らしかったと
改めて痛感しているだろうし、僕もそう思わずにはいられない。

彼は鏡の向こうに行ってしまったけど、作品は現実の中で永遠に残っていく。
有難う、貴方のおかげで僕は色々な素晴らしい音楽に出会えました。

でも、やっぱり切ないよ。

今、プリンスはどう思ってるんだろう。僕が聞きたいのはマドンナの
コメントでは無くて、彼の心境である。
posted by cafebleu at 21:24| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Michael Jackson | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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