2007年09月11日

With・・・

30日に投稿した話の続きを。

30代後半かつミュージシャンと思われるバイト君の、サービス業を
馬鹿にしたような対応に過去の自分が少しフラッシュバックしつつ、
色々赴き深い思いで仕事を済ました後、僕らはせっかく板橋まで
来たのだから比較的近くに存在するとある楽器屋まで行ってみよう
と言うことになった。

楽器屋、一般的なメッカは間違いなく御茶ノ水である。
駅を降りれば楽器に興味が無い人間でもわかるくらいそこかしこに楽器屋が
ある事に気付く街である。

意外と渋谷や新宿なんかにも楽器屋はあったりするのだが、何はともあれ御茶ノ水に
行けば新品からヴィンテージまで数多くの楽器と巡り合う事が出来る。

但し、自分は今までも現在も御茶ノ水近くに住む縁が無いので実はそれほど通った
事が無かったりするのだが。

話を戻すと、練馬の繁華街とも関係ない場所にある楽器屋まで何故行ったのか?
この時点で意味がわかる人はビーヲタかつ楽器演奏もする人であろう。
そう、ここはビートルズ系の楽器販売とリペアで有名な楽器店『With』がある
ところなのだ。

環七通りの陸橋にややかかった見えづらい部分に古めかしい3階程度のビルがある。
それがWithである。ビルの全てをWithが占めているので恐らくは自社ビルなのだろうか。

「車で来店の際は店の前に止めてください・・」とWEBでは書いてあったような気がしたが、
店の前に車を付けると大型車が通った時に間違いなく通れなくなるので店の裏側の
路地に止めて僕らは店に入っていった。

外から見たところ楽器が並んでいる様子は無く、入り口からは店主さんと思われる人が
中にいて作業台のような所でギターをいじっている様子。更にはリペアを受けているギター
の持ち主と思われる人が椅子に座ってなにやら話しかけてるようだ。

普通の楽器屋と明らかに違う様子だったがここまで来たので入ってみようと言う事になり
店の扉を開けると開口一番店主さんに、

「いらっしゃい、今日は何の用事でしょうか?」

何の用事???楽器屋に来て初めて言われたフレーズに二人の思考は一瞬フリーズ
したが、気を取り直して僕が

「あ、初めてここを探して来た者です。見学させてもらってよいですか?」

楽器屋を見学とは意味不明だが、取り敢えず口をついたのがこんなフレーズだった。

「そ〜ですか、どうぞどうぞ、楽器は2階にあるから自由に見てください」

楽器は自由に・・・まぁとにかく楽器屋なのだから先ずは置いてある楽器から見るか。

一つ断っておくと僕は決して大手の楽器屋しか行った事が無いわけではなく、
ビーヲタ楽器の拠り所の一つである中目黒のディア・プルーデンスは89年頃の
オープン時から中学生だった僕の地元だったので行ったりしていたし、つい最近も
原宿のマンションの一室、しかも1階の中高生向きアクセサリー屋で女子高生を
掻き分けてエレベーターまで辿り着けないと向かう事が出来ない某楽器屋で
ギターを入手したばかりであるので、決して個人経営の楽器屋知らずと言うわけ
では無い。

普段は保守的で余り知らないところに行かない人間だが、楽器の為なら
毎日だってクロサワ・ベース・センターでリッケンの中古流通を尋ねたりする
楽器屋のお兄さんの迷惑間違いなしなタイプなのである。

話を戻すと、2階は販売されている楽器もされていない楽器も新品、中古問わず
雑多に並べてあった。

先ず階段を昇りきって目に付いたのが10本近く並べてあるヘフナーのベース。
'62や'63のようなレギュラーモデルは勿論の事、高くて有名?なキャバーン・モデルや
ポールの63年製に近いと言われる所謂20/40なんかも置いてあった。
また、「レス・ポール・ベース」なんて言う愛称でも知られる500/2ベース辺りは
日本でポイと置いてあるのを見かけることは少なく、ある意味レアなのではないだろうか。

他に1964台限定生産のポール・シグネイチャー・テキサンとかもあったし、
60年代物のカントリー・ジェントルマン、更にはウォルの5弦ベースのようなビザール物も。
まぁビザールからオールドまでとは言ってもその全てはビートリーな楽器なのだが。

売り物ではないようだがサイケデリック時代の塗装を再現した”マジカル・リッケン”も
置いてあった。

ふと品揃えを見ていて思ったのがどちらかと言うとポール寄りな感じがしたことだろうか。
ジョンの楽器と言うと目立っておいてあったのがJ-160Eくらいだったのではないか。
まぁ展示してないだけかも知れないし、逆を言えばジョンの楽器と言うのはリイシュー
と言う事で考えれば何処でも手に入り易いので余り置いてないだけかもしれない。

しかし個性的と言うかビートルズ専科なラインアップである。

こんな事はありえない話だが、もしWithにビーヲタでない普通のベーシストが
買いに来たとしたら、選べるベースはヘフナー色々か、リッケン4001C64、
後は一品限りのウォル5弦ベースから選ぶことになる。

ここにはプレベもワーウィックもスティングレイも置いてない。
ジャズベはもしかしたらポールが使っていた時期の仕様が置いてある時が
有るのかも知れないが。

まぁそんな幅広い品揃えはWithには必要ではなく、如何にビーヲタを唸らせる
アイテムが置いてあるかなのだ。必要なのはフレイム・メイプルのES-335とかではなく
61年仕様のギブソン・ヘッドのエピフォン・カジノ。そんな感じだろう。

それにしたって徹頭徹尾ビートリーだ。例えばわざわざビートルズの曲名を店名に冠した
『ディア・プルーデンス』でもストラトなどが置いてあるのだから。

コアではあるし、単なる楽器販売が主だった「楽器店」ではないのであろうが
それでもずらりと並ぶヘフナー達等は、僕的にはそれなりに壮観で楽しませてもらい
1階に下りた。

1階ではギターのリペアをしてもらいながらマニア話をしているスキモノそうなお客さんが
いた。そしてTVからは笑点のBGMが聴こえた。

1階にかけてある店主さんの物と思われるギター類がポール好きにはたまらない感じだった。
ギブソンの黒いアコギ、エバリー・モデルや過去にWithでも限定販売した(リーダーに教わった)
61年製、所謂”マッカ・カジノ”リイシュー(本物かもしれないが)などなど・・・。
ちゃんとストラップも則したものが付いているのがポイントだろう。

そう言えばWithはストラップもビーヲタ用に作成していたりした。カジノ用だけでも3種くらい
作られていたのだ。

そう言えばこれもリーダーと話していたのだが、ターコイズに在籍していた寄本さんは
テキサンを弾く時にちゃんとポールが『エド・サリバン・ショー』で使用していたフサフサの
付いたストラップを使用していたのを思い出した。

この前リーダーがパロッツのライブで限定復活した寄本さんに
「寄本さんテキサン弾いてる時ちゃんとフサフサストラップ付けてましたよね〜」
と尋ねたら少しはにかみつつ頷いていた。

これもWithで作ったものなのだろうか。確か本物のヴィンテージ楽器だった
67年製リッケン4001はディア・プルーデンスで入手したとか書いてあったが。

と言う訳で僕らはレアだが音作りが難しくなると評判?なピラミッドの弦を
眺めた後は店を後にした。ピラミッドとは異なるが、リーダーがヘフナーに張った
LaBellaのヘフナー用フラット弦「ディープ・トーキン」は1ヶ月持たずに切れたそうだ。
とても高い弦なのに・・・。でも見たときからフラットの研磨とか意外といい加減だなとか
思っていたのだ。ビートル楽器は弦まで悩ましい。

楽器論は尽きないけど見てるほうは辛いかもしれない。
posted by cafebleu at 03:31| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | With | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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