2006年04月20日

Shipbuilding

「不安定な声の先にある悲しみと癒しの同居」


ロバート・ワイアットの音楽を聴いていると何とも不思議な感覚に陥る。
時に前衛的とも言えるほど不思議な音響を聴かせ、
そこにメロディも歌声も不安定な彼自身のヴォーカルが乗る。

聴いていてとても不安定な気持ちになりそうなのだが、
その一方で包まれるような感覚にも陥る。
癒されているような、不安定になるような、
何とも捉えどころのない音像と精神性を
ロバート・ワイアットの音楽から僕は感じ取る。

「シップビルディング」はポップ・ファンなら有名だろうが、
エルヴィス・コステロのペンによる至高のピアノ・バラード。
本人も演っているが、ワイアットのヴァージョンには及ばないと
自ら述べている。確かにワイアットのそれは元々気品の高い
このバラードに祈りにも似た精神性を与えているように思える。



ロバート・ワイアットは60年代、超絶な技術を持つドラマーであった。
しかし下半身不随になってしまい一旦は彼の音楽キャリアは
絶たれたかに思われた。それでありながら彼は楽曲を作ること、
そしてそれを自らが歌うことで第二のキャリアを築いた人である。
本当の悲しみを知る人間だからこそ伝えられる深遠な音楽世界が
彼の作品にはあるような気がする。
posted by cafebleu at 01:31| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Robert Wyatt | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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