2006年02月12日

It's Wonderful

「至高のブルー・アイド・ソウル」 by The Rascals('68)


今月は英国物をテーマにしたつもりが「喪失」というテーマに
「キャロライン・ノー」がピタっとはまったのでブライアンを持ち出してしまった。

今日からまた英国物に戻るつもりだったのだが、
バンド練習後にラスカルズの話題で
相方と盛り上がってしまい今日も米国物になってしまった。
しかしビーチ・ボーイズ、ラスカルズと
続いてはまるで山下達郎的嗜好ではないか。
じゃあ次は山下達郎3回目の登場か?いやいやそうではなく・・・。

さておき、ラスカルズだ。
正直言って掛け値なしに大好きだ。でもそう言ってしまえば
書くことも無くなってしまうので。

先ず最高のブルー・アイド・ソウルである。
この点に於いてはどんなミュージシャンも適わないし、
今後も彼らを越える存在は出てこないだろう。
彼らほどトータルで「ソウル」を体現できる
白人ミュージシャンはそういない。
サウンドという点ではアヴェレージ・ホワイト・バンドも
かなりブルー・アイド・ソウルとして素晴らしいと思うが、
スコットランドの片田舎でファンクをやってる自体が奇異な感じのAWBに
対してソウルの名門、
アトランティックから出てきた彼らはブルー・アイド・ソウルのサラブレッドだ。

次にフェリックス・キャバリエのヴォーカルがたまらない。
勿論、オルガン奏者としても優秀な彼だが、
やはりあのヴォーカルはこれ以上無い理想的な
「ブルー・アイド・ソウル」シンガーだろう。
黒い喉なのだがアクは強くない、だからブルー・アイド・ソウル。
そして注目すべき点は、もう一人の
シンガー、エディ・ブリガティも素晴らしい事。

僕が彼らを初めて聴いたのは大有名曲
「グルーヴィン」が最初だった。
これが収録されたアルバム『グルーヴィン』を
聴いた時はとても大人びて感じた。
僕は「ブルー・アイド・ソウル」というものは
スモール・フェイセズやスペンサー・デービス・グループの
ような熱くて熱気のこもったシャウトが炸裂する、
青くて、黒っぽさへの憧れを露わにしたようなものを
想像していたのだ。当時はモッズに(今でもか?)
凝っていた事もあって、ラスカルズよりも先に
上に挙げたようなブリティッシュ・ビート物の
「ブルー・アイド・ソウル」は既に耳にしていた。
それに比べてラスカルズのそれは
だいぶ落ち着きのある「大人」の音楽であった。
特に『グルーヴィン』辺りからラスカルズ自体も
ジャンルとしての「ソウル」から脱却し、ラスカルズとしての「ソウル」を
体現するようになっていくというのもあるのだが、初期の音源などを
聴いても彼らはアトランティックのソウルというよりは、
どちらかというとモータウンの方が近いような
サウンドではあったような気がする。
そんな一見落ち着き払った佇まいなのに、どこからどう聴いても
ソウルを感じるラスカルズの洗練されたサウンドには
熱中したものだ。そしてそれは今でも変わらない。

「イッツ・ワンダフル」は時代がサイケデリックに
彩られていた頃に発売された、彼ら流の
サイケデリック・コンセプト・アルバム、
『ワンス・アポン・ア・ドリーム』に収録されていた曲。
不思議なサウンド・エフェクトからイントロ無しでコーラスに突入し曲は始まる。
この曲のややサイケ時代らしい浮遊感のあるAメロが何度聴いても良い。
そしてコーラス部分はエフェクト処理され、右へ左へ音が飛んでいくようだ。
そしてこの時代お決まりのフェイジングが
音像全体に効いてサイケ感を醸し出す。
3分にも満たない中で色々楽しませてくれる曲だ。

この曲なんかは完全にソウルの範疇からは逸脱しているのだが、
どこかでそういうものを自然に感じることが出来るラスカルズは
やはりこの手のミュージシャンでは一歩抜けてると思う。
まぁこの時代になるとモータウンのシュープリームスだって
「リフレクションズ」のようなサイケデリックな効果音を用いた曲を
発表しているのでソウルがサイケの要素を取り入れたって何もおかしくはない。



しかしラスカルズの音源は相変わらず入手困難なようだ。
いつだって売ってるのはアルバム『グルーヴィン』くらい。
勿論あれも名作だが、ラスカルズの60年代作品に外れはない、
ファンの間では名盤と定評のある『フリーダム・スウィート』や『シー』ですら
ロクに手に入らない状況はどうにかならないのか?
彼らはマニアだけの音楽ではなく、歴史に残るミュージシャンである。
だいぶ昔、山下達郎氏の尽力によってアトランティック時代の
アルバムが全て入ったボックスが発売されたのは感激したが、
その後すぐに廃盤。そしてまたアルバムが手に入りづらい状況が続いている。
posted by cafebleu at 08:00| 東京 ☁ | TrackBack(0) | The Rascals | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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