2006年02月02日

You're Going To Lose That Girl

「”恋のアドバイス”なんて誰も歌ってない」 by The Beatles


僕は自他とも認めるビーヲタ(ビートルズマニア)である。
父親に赤盤と青盤、そしてジョンの『イマジン』を
聴かされてからと言うものずっとである。

小学校の頃からビートルズに夢中だったし、
中学生の時分には神保町の
中古レコード屋に赴き父が紛失している
アルバムやシングルなどを物色していた。

実はあの手の店、子供が行くと十中八九安くしてくれる。
いいオヤジさんいたな。勿論海賊盤なんかにも手を出した。

そしてこの時の事が今まで音楽好きである事に直結している。

これだけ書いておいてなんだが実は
僕、初期のビートルズが今となっては
それほど大好きと言うわけではない。

デビューアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』
は、はっきり言って一番聴かない。
あれはやっぱり1963年のオールディーズでしかないと僕は思う。

2nd『ウィズ・ザ・ビートルズ』は
彼らにしてはいぶし銀的なアルバムだと思う。
素直にR&B辺りに憧れが感じるのも悪くないが
まぁまともに通して聴いたのは何年前の事になるか・・。

3rd『ア・ハード・デイズ・ナイト』は初期の重要作だし、
ジョンが大活躍して楽曲も充実しているが、
実はタイトル曲があんまり好きではないのでそれがひっかかる。
最初の曲が苦手なアルバムにのめり込むのは難しいものだ。

4th『フォー・セール』は疲れたのか逆に一歩後退している。
オリジナルに煌くものはあるけど全体的に低調で
彼らで一番人気の無いアルバムの一つだろう。

ま、これだけ書けるのだから知らないとは言わないけど、
初期のビートルズは僕にとってそれほど重要ではない。
これら「初期衝動」を楽しむなら時代は違うがスモール・フェイセズや
ニック・ロウ、エルヴィス・コステロなんかの方が好みである。
もっともこれもビートルズがいたからと言うのも言えなくは無いし、
スモール・フェイセズとビートルズのデビュー盤を同列に
並べて語るには無理がある。ビートルズのデビューアルバムは
1963年に出ているのに対してスモール・フェイセズのデビュー・アルバムは66年だ。
あの当時の3年は余りに大きすぎる。
現にスモール・フェイセズが「シェイク」で青々しくシャウトしてる頃、
ビートルズは実験的な『リボルバー』の世界に突入していたわけだから。

まぁそれはともかく、
僕はビートルズ・ファンとしては至って平均的な「中期」以降のビートルズこそ
聴く価値があると考えるタイプだったりする。具体的には『ラバー・ソウル』以降だ。
ここから彼らはアイドルの殻を破り、時代をリードする、
もしくは嗅覚鋭く次の流れを読む存在として
音楽界で確固たる地位を築いていくことになる。

ハードディスクが壊れた冗談半分に『ヘルプ!』から
MP3にエンコードすることにした。
このアルバムも個人的には余り聴き返さないアルバムではある。



しかし、大人になってこのアルバムを聴くと
このアルバムは凄く「映像的」なアルバムだと
思うようになってきた。
勿論、映画『ヘルプ!4人はアイドル』を僕は観ているからだろうが。

映画『ヘルプ』は彼らの第二作目の
映画でアイドル時代の最後を捉えた作品だ。
初めてのカラー映画で今でもフィルムの状態は良く、
総天然色でスクリーンを動き回る若き日の彼らの
姿が今でも踊っている。何て愛嬌のある人たちなんだろう。

『ヘルプ!』、実は今でも評判が余り芳しくない。
グルーピーに追われていたビートルズを
そのまま捉えた一作目『ア・ハード・デイズ・ナイト』に比べ、
一応脚本ありきで進んだ『ヘルプ!』では
各々の演技に無理があるとか、台本がくだらないとかそういうのだろう。

確かにその通りで3流のモンティ・パイソンのような
日本人には到底笑いきれない寒い風刺や
役者ではない彼らの演技に自ずと限界がある。

でもこの映画のおかげで彼らの生き生きとした
「アイドル時代」の姿が今でも美しいカラーで
観れる、それだけでも貴重だと思う。

映画『ヘルプ!』にはアイドルすることに
飽きてきていてクールに構えようとするジョンや
アイドルを謳歌しているポール、最年少で
まだまだあどけないジョージ、どうやら演技を一番
楽しんでる様子のリンゴが、今でも生き生きと輝いている。

この映画の中で一番好きなシーンが
「You're Going To Lose That Girl(恋のアドバイス)」の
スタジオ演奏シーン。
ライティングで影になって映る彼らとリンゴの吸う煙草の煙が
美しい映像効果となって、いつでも僕は頭に思い浮かべる事が出来る。
そして曲も初期的なニュアンスのする楽曲の中では好きな部類に入る。
若い頃のハリのあるジョンのAメロの歌いまわしだけでこの曲は決まりだろう。

ジョージがようやっとまともに作曲した
「アイ・ニード・ユー」の草原演奏シーンも愛らしい。
このつたない曲と若いジョージの姿がアイドル然としていて素敵なんだ。

アルバムとしてはアイドルと表現者の
狭間にあった作品なのは聴いていてもわかるし
そこがどこかどっちつかずなのだけど、
そんな半端なビートルズも悪くないと今では思う。
posted by cafebleu at 02:28| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | The Beatles | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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