2006年01月28日

You Don't Love Me

「少しも強がらない素直な愛の終わり」 by Matthew Sweet('92)


マシュー・スウィート、米パワーポップの立役者だ。

それについてはヴェルヴェット・クラッシュの時
に少し書いてるので詳しくは書かないけど、
僕はむしろ彼はパワーポップの括りで語るよりも
「シンガー・ソング・ライター」と言った方が
ピンとくる。内省的な歌詞や心のひだに触れる歌こそ彼が魅力的だから。

もちろん元気いっぱいのパワーポップ・ソングも
彼の特徴なのだが、それ以上にどこか
影のある彼のメランコリックな曲には惹かれるものがある。

「ユー・ドント・ラブ・ミー」が収録されている
アルバム『ガールフレンド』は間違いなく彼の
最高傑作である。
これさえ聴いていれば他は聴かなくても良いかも知れない。
これ以降彼の作品は常にここからの再利用でもある。

このアルバムこそ「エバーグリーン」という
言葉がふさわしいアルバムの一つだ。
ヴェルヴェット・クラッシュの時も言ったけど。
既に発売されてから13年を過ぎていると
いうのも何だか恐ろしいが今も昔も最初から
「色褪せている」それが最大の魅力。



彼のラブソングは大概愛の終わりを歌っている。
あの太ったルックスにラムちゃんの刺青だ。
そんなに良い恋愛とは無縁の人だろう。事実離婚も経験している。
要はなんだかオタクっぽい人なんだ。日本のアニメマニアとしても有名。

「ユー・ドント・ラブ・ミー」なんて言わずもがなだろう。
だって愛してくれないのだから。楽曲的にもシンプルな
コードで素晴らしいメロディを考える辺りとても非凡な人だと思う。
それに輪をかけるように
ペダル・スティールの音がより一層メランコリーに聴かせる。

そして歌詞、
これもビーチ・ボーイズの「ゴッド・オンリー・ノウズ」の時に書いた事と似ているが、
歌いだしの歌詞が素晴らしい。
「What a beautiful moment」で始まる詩心。
「なんて美しい刹那だろう」こう日本語でそのまま
書いてみても美しい詩だ。

こう書くと何だか強がった始まりのようにも感じるが、
別れって切ないけど何処か後で美化してしまわないだろうか?
少し時間をおいて思い起こすとその瞬間に耽美してしまう、
人間にはそんな刹那があるはずだと僕は思う。

何だか感傷的な話しになってしまった。

そう、この曲はいつでもそういう気持ちにさせる「美しい愛の終わり」の歌だ。
マシュー・スウィートにはネクラな歌が良く似合う。

関係ないが後のアルバム
『キミがスキ・ライフ』では奈良美智の絵をジャケに使用してます。
さすがは日本のアニメーション・オタク。


posted by cafebleu at 02:14| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Matthew Sweet | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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