以前も少し取り上げたけど、ランディ・ニューマンはアメリカが
生んだ偉大な作曲家だと思う。
歌は決して上手いというわけではないけど、
飾らないその歌声は時に自分の声に
酔いしれてがなり上げてるような人たちよりずっと心に響く。
そして映画のサウンドトラックが良く似合う物語性のある
アレンジ、メロディは彼の教養の高さを感じる。
そしてそれをぶち壊すかのような毒のある歌詞。
「ギルティ」はアルバム『グッド・オールド・ボーイズ』に
収録された味わい深い”罪”の歌だ。
この「ギルティ」という歌がきっかけかどうかは知らないが、
Boxセットが出たときのタイトルが
『”ギルティ” 30イヤーズ・オブ・ランディ・ニューマン』
となっていたのは笑ってしまった。
このBox、わざわざ金文字で
『フェイマス・コンポーサー・アンド・ゼア・ワークス』と
なっているところを大きく×印をしてある凝り様だ。
素直じゃないというか何と言うか(笑)。
きっと上のように呼んでほしいのだろう。
まぁ彼を好きな人たちは彼が偉大なコンポーサー
だなんて事は良くわかっているので大丈夫ですよ、ランディさん。
「ギルティ」を聴いていると色々な人間の
ちっぽけさとかが心をよぎる。
少しピッチの合わないようなピアノの音と
相反する美しいメロディが胸を打つ。
壊れていくピアノの音と人間の嘘、過ぎ去った事。
それは取り返せるものではないのだけど、
振り返り感傷に浸り、反省することはそう難しいことではない。