2006年01月05日

Faster Days

「僕が祈らなくても時はどんどん過ぎていくんだ」 by Velvet Crush


90年代初頭、草の根的にアメリカの
カレッジ・シーンを中心に日本でも小さな「ブーム」として
ゆっくりと広がった「パワーポップ」。
マシュー・スウィートと並んで草分け的な存在なのが
ヴェルヴェット・クラッシュだろう。

90年代は中盤頃から英米問わず、
大きな括りで言えば「レトロ」なものへの
再評価が良くも悪くも高まったような記憶がある。
パワーポップがアメリカで評価され始めた頃とあまり変わらない時期に
イギリスのスコットランドではグラスゴー一派と
言われる様な6〜70年代辺りのポップ・ミュージックに
精通していて、かつその音楽性をアマチュアリズムと言うか
素朴に表現してこれらもやはり草の根的に
ポップ・ファンの間で広まりつつあった。
これらの代表例はティーンエイジ・ファンクラブや
BMXバンディッツと言うことになるだろうか。

後にこれらはアメリカで
ウィーザーやジェリーフィッシュ辺りから商業的にも成功し始め、
イギリスでもグラスゴーだけでなく、
各地から「古い遺産の再構築」をキーワードとするような
動きが始まる。それがブラーであったり、ドッジーであったりするのだろう。
これら非グラスゴー組は後にメディアの思惑も巻き込んで
「ブリットポップ」として良くも悪くも大きな動きに発展して行く。

良くブリットポップとグラスゴーを一緒にするなと言う声も聞く。
確かに厳密には志している路線は違うとは思うが、
「英国のポップ」と大きく括ればティーンエイジであれブラーであれ当てはまるので
そんな狭義な考えは、自分には相容れないものである。
あと大きな違いはグラスゴーが草の根的なムーブメントだったのに対し、
ブリットポップはメディア主導の面が強かったと言うところか。

ティーンエイジが「スパーキーズ・ドリーム」で
ブレイクした背景にブリットポップのブームが無関係だったとは考えにくい。

僕はこれだけでなく、先に述べたとおり、
イギリスとアメリカで同時発生的に起こったこの回顧ブームに
ついての共通点には是非一度触れたいのだが、
それはまた次回に譲ろうかと思う。

大事なところはティーンエイジと
ヴェルヴェット・クラッシュが合同でツアーを行っていたり、
ジェイホークスとティーンエイジが常に
対を成すようなアルバムを出していたり、
ヴェルヴェット・クラッシュとスティーヴン・ダフィが
共作していたりと言うことだと思う。

「ファスター・デイズ」は上にも挙げたように、
ライラック・タイムなどでも活動したスティーブン・ダフィとの
共作ナンバーで、録音にもコーラスで参加している。
2ndアルバムで、ファンの間でも名作と評判が高い
『ティーンエイジ・シンフォニーズ・トゥ・ゴッド』収録。

こんな言い方は陳腐だけど、
イノセントという言葉がとても良く似合う曲だと思う。
「青くて」「純粋な」永遠の君や僕へのうた。
何処かの精神論ばかり語る雑誌の言い回しのようだけど
そんな言葉を付け加えたくなる、そんな曲。
「ファスター・デイズ」で歌われている、

「僕が祈らなくても時はどんどん過ぎていくんだ」
という言葉は、30歳になった自分により一層響く。



周知のことかも知れないが、このアルバムのタイトル、
『神に捧げる10代のシンフォニー』と言うのは
ブライアン・ウイルソンが『スマイル』の
仮タイトルやコンセプトとして発言してたもの。

このアルバムもどうやら現在は廃盤なのか
入手困難なようだ。輸入版などで探したほうが良いかもしれない。
それにしたってこれこそ「エバーグリーン」なアルバムで、
これが入手困難なんて悲しい話だ。彼らがいなければ
ウィーザーの異様な日本での人気も、ベンフォールズのFM近辺での
ヘビー・ローテーションも、スローンの地道な人気も無かったと僕は思ってしまう。

素朴だけど愛らしいジャケットも大好きだった。ポップはこうでなくちゃね。
posted by cafebleu at 01:47| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | Velvet Crush | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ベルベットクラッシュ大好きだったにゃー…
Posted by ねこ at 2015年08月22日 13:34
ねこさん、コメントありがとうございます。
ベルベット・クラッシュ、本当に素朴で良いバンドでしたよね。この記事は10年近く前のものですが、今でも僕はたまにこのアルバムや『Free Expression』に耳を傾ける時が有ります。そして、この記事で書いた「Faster Days」のメロディや歌詞は40代を間近に控えた僕にはより一層メランコリックに響きます。
Posted by cafebleu at 2015年09月25日 06:13
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