2011年07月12日

電力館と幼馴染、もしくは郷愁

11日は週明けで気怠い時だと言うのに暑かった。

そんな日に限って外出の仕事を作ってしまう。

明日は大阪出張だし、来週は夜間作業、そして再来週は
また大阪とこちらは慌ただしい。

そうは言っても最近は事務所にいるほうが体に毒なので
(夏バテと自立神経失調症が重なったのか胃腸の調子がすこぶる悪い)
外出していた方がまだマシな時も多い今日この頃。

さておき、炎天下の昼下がり、渋谷の道玄坂を歩いていたら
一人の作業員姿が目についた。その作業着は今やある意味
時の企業になった某電力系の作業着だ。勿論Tで始まる
ローマ字企業名?と赤い丸をいたずらしたような企業ロゴが目立つ。

そもそもそんな作業着姿で炎天下の中独り暑そうに歩いていたら
目立つではないか。しかし、大事なのはそんな事ではなかった。

僕はこの少し頭髪の薄くなった30代後半と思われる作業着姿の
顔を見てすぐにピンと来た。小中学校を共にした同級生に違いないと。

声をかけるには少し勇気が行ったが、瞬時に幼馴染でこの企業に
就職したと嬉しそうに語っていた彼の若い頃を思い出して、確信を
持って声をかけてみた。

最初、かなり驚いた様子で狼狽していたが、彼もすぐに思い出してくれて
信じられない16年ぶりの再会と相成ったわけである。

最初かなり驚いていたのは、声をかけられた僕に対してではなく、
時の企業の作業着で居ることに対するクレームや嫌がらせなのではないかと
ナーバスになっていたかららしい。酔っ払いに良く心無い罵声を
浴びせかけられるそうである。

何て悲しい話だろう。

ビジネスとして相手先から怒られるのはまだ仕方ないと思う。
サラリーマンである以上、企業の看板は背負っているわけだから
大なり小なり事が起きたときは自分にも降りかかってくる覚悟は
必要なんではないかと思う。

しかし、高専を出て、現場職に応募して、めでたくこの企業に受かってから
早10数年、この会社のために大変な現場系仕事一筋でやっている彼に
どうして罵声を浴びせなくてはいけないのだろうか。
物まで投げられたという話も聞いて、何だか自分がやったわけではないのに
とても恥ずかしい気持ちになった。

彼は一度も原子力系の仕事はしたことが無いらしく、ひたすら渋谷周辺の
電気工事系を今でも行っている職人らしい。

僕は大変だとは思うけど、やっぱり電力って人間に必要だし
感謝してるからめげずに頑張ってねと彼には心から伝えた。

小中の時の彼はやんちゃで、僕も大分イジラれた。いじめられるとは
違うのだけど、まぁイタズラが過ぎるタイプで。
そういう意味では今でも良く家に来る保険代理店の幼馴染のほうが
よっぽど陰湿だったとは思うが、奴は何故か今でも家に来るわけで。

中学校を卒業してからは疎遠になってしまったし、
元々それほど親しい仲という程でも無かったか。

所が19歳くらいの時に一度だけ再会している。それは偶然にだ。
田園調布の駅か何かで電車の乗換を待っていたら、彼に声をかけられた。
その時の彼は全然毒も抜けていて、凄く丁寧に僕に挨拶をしてきた。
これが余りにもギャップが有って鮮烈に覚えていたのである。
その時、その電力系企業に就職できたので頑張ってるよと伝えてくれたのを
僕は作業着姿の彼を見て思い出したのである。

少しナーバスになって酒も飲めないらしい。
何だか本当に当事者は大変なんだなと友の声を聞いて痛感した。

猛暑の中に外出の用事を作ってしまい参ったなと思いつつ炎天下を
歩いていたら思わぬ再会も有った。それは長く付き合った昔の恋人や
少年時代を兄弟のように過ごした旧友のようなドラマティックな
出会いではなかったかも知れないけど、仄かな郷愁と改めて今起きている
現実を考える機会を与えてくれたのだと、そう思えば良いのかな、と。

さて、明日からまた大阪だ。
posted by cafebleu at 01:39| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Days | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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