2006年06月01日

Little Wing

「同志への静かで熱い追悼」 by Eric Clapton


クラプトンのクリームとは違った意味で黄金時代といえる
70年代のライブを収めたBox『クロス・ロード2』は
中々好編集盤だったと言える。

70年代のクラプトンはただギタリストであると言う前に、
一人の作曲家としても本格的にスタートを切った
時代でもあった。そしてそんな作家性のインスピレーションには
デラニー&ボニーやザ・バンド(特にリチャード・マニュエル)、
もしくは同じ英国人で同様に当時の英国的
「様式美的ハードロック」に背を向けていたスティーヴ・ウィンウッドや
ローリング・ストーンズなどもあったかもしれない。

「リトル・ウィング」は説明も不要なジミ・ヘンドリックスの
名バラードである。僕はジミヘンの熱心なファンとは言い難いのだが、
彼の書くバラードの多くは他の誰にも真似の出来ない美しくて
少し特殊なコード展開が素晴らしい。

この曲は以前、デレク・アンド・ドミノス時代にスタジオ盤でも
カバーされてるのだが、この『クロスロード2』に収められている
ヴァージョンは出色である。



レイドバック時代らしく、アレンジやテンポはかなり緩い。
ぐっとテンポを落とし、ギターの音数を減らして
その空間にはハモンドの音が広がる。
そしてクラプトンらしくオリジナルよりも
一層メランコリーにこの曲を解釈している。
そしてメランコリーな曲では先ず間違いなく
素晴らしいソロを弾く人でもあるのでこのギター・ソロも素晴らしい。

本来アウトテイクなのでややプレイにミスや
雑なところも無くは無いのだが、
そんな生々しさも含めて息遣いを感じるようなソロに心を惹かれる。

クラプトンは極めてオーソドックスなスタイルのギタリストだ。
基本の中の基本でギターを弾く人。ギミックも無い。
それでありながらポピュラー・ミュージックの歴史の中で
大きな足跡を残した事は特筆に価することだと思う。
ミック・テイラーやピーター・グリーン、もしくは
デイヴ・メイスンでは辿り着けなかったところまで行った。

だからこそ晩年はただの商業音楽になってしまったとも言えるのだが。

でもこのBoxやデレク・アンド・ドミノスのライブで
ワウ・ギターを16で引っ掻き回すクラプトンは
確かにクールな英国青年だった。


posted by cafebleu at 02:16| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Eric Clapton | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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