2006年05月30日

美しい星〜『確かな光』〜

「アンビエント感覚の冴える音響美世界」 by 高野寛


高野寛は僕らの世代の人間なら名前くらい知ってるかもしれない。
それはトッド・ラングレンがプロデュースした一連の作品でも
いいし、もっと言えばオリジナル・ラブと共演したヒット曲でもいい。
そんな事言わずとも「虹の都へ」は僕らの世代で知らない人は少ない。

その後の彼はむしろ表舞台と言うよりは裏方として
サブカルチャー的ポップシーンで活躍していく。

クラムボン、スーパー・バター・ドッグ(ハナレグミ)は言うに及ばず、
小泉今日子のプロデュース、ナタリーワイズへの参加やかなりの人への
楽曲提供などの実績を残している。

そう言えばスーパー・バター・ドッグ時代の名曲
「サヨナラCOLOR」は高野寛がプロデュースしたアルバム
『GrooBlue』に収録されていた。そしてこの曲の世界を広げたのが
ハナレグミでの活動でもあったわけだ。後に「サヨナラCOLOR」は
竹中直人が映画を作るうえでインスパイアを
受けるくらい重要な曲になる。

そんな裏方中心の活動もあって近年は寡作な高野寛だが、
2年ほど前に発表された『確かな光』は肩肘張らない好作だった。



「美しい星」は音響的な気だるい打ち込みの中でつぶやくように
歌われるアンビエントポップとでも言えばよいだろうか?

メロディとアンビエント的なアレンジ。
いつだかプリファブ・スプラウトのパディ・マクアルーンは
「メロディ以外で美しい音楽は何かといえばアンビエントだと思う」
という趣旨の発言をしていたがこれは僕も激しく同意したい。
まぁメロディの巨匠がこう言うのだからそう間違いも無いだろう。

それを体現したかのようなこの曲は素晴らしい。

2004年作『確かな光』に収録。
posted by cafebleu at 02:11| 東京 ☁| 高野寛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月25日

Blue Jeans

「エア・クッション・ソールと僕の戻る場所」 by blur('93)


”エア・クッション・ソール(ドクター・マーチン)、土曜にポートベロで買ったんだ”
そんな歌いだしで始まるこの歌の詩世界が僕は大好きだ。

典型的な日本人の英国へのわかりやすい憧れを
この曲を聴いてると思い浮かべることが出来る、
そんなイギリスな歌。僕がブラーに出会った
最初の頃に聴いた曲の一つ。

詰まるところがあったら原点に戻るわけで、そんな
「原点回帰」の一つに『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』
はある。個人的な意味だが。



だらしなくも美しいメロディをもつこのバラードを聴きながら、
僕はもう少し頑張ってみようかと思う。

後生大事に仕舞ってあるドクター・マーチンの
10ホールを靴箱から引っ張り出して。
これは古い友人からのプレゼントで宝物でもある。
posted by cafebleu at 02:08| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | blur | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月10日

Guilty

「少しだけ調子外れで、決して戻ることは出来ない、そして美しい懺悔のうた」


以前も少し取り上げたけど、ランディ・ニューマンはアメリカが
生んだ偉大な作曲家だと思う。

歌は決して上手いというわけではないけど、
飾らないその歌声は時に自分の声に
酔いしれてがなり上げてるような人たちよりずっと心に響く。

そして映画のサウンドトラックが良く似合う物語性のある
アレンジ、メロディは彼の教養の高さを感じる。
そしてそれをぶち壊すかのような毒のある歌詞。

「ギルティ」はアルバム『グッド・オールド・ボーイズ』に
収録された味わい深い”罪”の歌だ。



この「ギルティ」という歌がきっかけかどうかは知らないが、
Boxセットが出たときのタイトルが
『”ギルティ” 30イヤーズ・オブ・ランディ・ニューマン』
となっていたのは笑ってしまった。



このBox、わざわざ金文字で
『フェイマス・コンポーサー・アンド・ゼア・ワークス』と
なっているところを大きく×印をしてある凝り様だ。

素直じゃないというか何と言うか(笑)。
きっと上のように呼んでほしいのだろう。
まぁ彼を好きな人たちは彼が偉大なコンポーサー
だなんて事は良くわかっているので大丈夫ですよ、ランディさん。

「ギルティ」を聴いていると色々な人間の
ちっぽけさとかが心をよぎる。

少しピッチの合わないようなピアノの音と
相反する美しいメロディが胸を打つ。

壊れていくピアノの音と人間の嘘、過ぎ去った事。
それは取り返せるものではないのだけど、
振り返り感傷に浸り、反省することはそう難しいことではない。
posted by cafebleu at 02:03| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Randy Newman | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月02日

Freedom Rider

「流れです」 by Traffic


3月にウェラー勝手に特集を書いたり、
オーシャン・カラー・シーンがどうとかマザー・アースの
影響された音楽がどうとか書いてたので、
じゃあ彼らに影響を与えた先輩のスティーヴ・ウィンウッド
という僕的に勝手な流れで進めようと思う。

スティーヴ・ウィンウッドは紛れも無く天才ミュージシャンである。
わずか15〜6歳でハモンドもギターもこなす神童として
スペンサー・デーヴィス・グループの中核を担った。
演奏も然ることながら、それ以上に驚かせたのが、余りにソウルフルな
歌声だった。

そして彼は順調に成長を続け、自らがよりイニシアティブを取るための
バンド”トラフィック”を結成した。当初は時代もあり、
かなりサイケ色の強いサウンドを聴かせていたが、後には
より白人としてのソウルの体現を行うようになっていった。

また、トラフィックにはウィンウッドだけでなく、誰でも知ってる
「フィーリング・オールライト」の作者であるデイヴ・メイスンの
流麗なギターや、ジム・キャパルディも後に名を残す事になる。

「フリーダム・ライダー」はアルバム『ジョン・バーレイコン』が
発売された70年代初頭の”ニューソウル”に呼応するような
凝ったコード進行を持つソウル・ロック的ナンバーだ。
この高度な感じが同じ神童スティーヴィー・ワンダーへの
対抗意識を感じるのは僕だけだろうか。

アルバム初頭を飾るインスト「グラッド」から間髪入れず
入る瞬間が何度聴いても格好良い。
予断だが「グラッド」のピアノ・リフはそのまま
オーシャン・カラー・シーンのインスト「オール・アップ」で
パクっていたりする。



このアルバムは彼らの名作の一つでもあるのだが、
取り立ててまとまっているとか充実の楽曲が目白押しという
感じではない。そもそも目白押しどころか曲が6曲しか入っていない。
それでもこの食い足りなさも含め何度も
聴き返したくなるという点で「名盤」なのかも知れない。

ある意味ハイライトは「フリーダム・ライダー」では無く
アルバム・タイトル曲でもある「ジョン・バーレイコン」
では無いだろうか?
この曲は古いトラッド詩を利用した所謂「トラッド」で、
この曲をきっかけにトラッドと言うものを意識したリスナー
なんかも多いんじゃないだろうか?かく言う僕もそうである。

ポール・ウェラーもきっとそうだろう(笑)
posted by cafebleu at 01:55| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Steve Winwood[Traffic] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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